キミの笑顔が見たいだけ。
「ツラい時は吐き出せ。全部受け止めてやるから、ごめんなんて言うんじゃねーよ」
温かくて、優しくて、心地よくて。
晶斗はいつだって、あたしの弱い心を包み込んでくれようとする。
「うん……ありが、とう」
ギュッとギューッと抱きついた。
すると不安が全部吹き飛んだような気になるから不思議。
晶斗といると安心する。
ねぇ、大好きだよ。
晶斗の温もりを忘れたくない。
ほんとは晶斗だって怖いはずなのに、そんな風に言ってくれるなんて。
どれだけ優しいの。
「俺は……菜都のためならなんだってする」
「……っ」
「だから、ツラかったら俺のそばで泣け」
「……っ」
「全部受け止めてやるから」
「うん……っ」
「それに俺は……誰がなんて言おうと、菜都の命を諦めない」
「……」
なにも言えなかった。
だって、あたしはーー。
「なにがあっても絶対に俺は、それだけは諦めない」
あたし自身が真っ先に、生きることを諦めているんだから。
晶斗もきっと、それをわかってる。
わかっていて、こんな風に言うんだ。
「諦めたら、そこで終わりなんだよ……」
切なげな声が、頭の中で何度も何度もこだました。