キミの笑顔が見たいだけ。
信じたい未来
「帰ろうぜ」
放課後になると、晶斗と帰るのが日課になった。
廊下を歩けば色んな人に注目されて、痛いくらいの視線を感じる。
「見て、今日も一緒だ」
「ほんとにラブラブだよね〜!」
「いいなぁ、矢沢くんと付き合えるなんて」
陰でコソコソ言われるのも毎度のことだけど、注目されるのは慣れたもんじゃない。
縮こまって歩いていると、晶斗にクスッと笑われた。
「堂々としてろよ」
「ム、ムリだよ」
晶斗はどうしてそこまで堂々としていられるの?
すごいよ。
尊敬だよ。
人の目が気にならないなんて。
まぁ、昔から目立っていただろうし、慣れてるのかもしれないけど。
「ほら、行くぞ」
手を掴んで引っ張られた。
大きな晶斗の手が、あたしの指にギュッと絡まる。
鼓動がドキンと跳ねて、不思議なことにもう晶斗しか見えない。
「人前でとか、恥ずかしいよ」
「いいだろ、見せつけとけば」
ほんのりピンク色に染まる晶斗の頬。
「あはは」
自分から手を繋いでおきながら、照れるなんて。
……可愛い。
なんて。
「なに笑ってんだよ」
「なんでもないよ」