キミの笑顔が見たいだけ。
「その時……は」
同じ未来を歩いてくれる……?
言葉に詰まって最後まで言えなかった。
涙がとめどなくあふれて止まらない。
握られたままの手が小さく震えていたけど、それはきっとあたしが泣いているせいで、晶斗の手が震えているわけじゃない。
ごめんね、ワガママなあたしで。
今まで散々振り回したのに、最後の最後までほんとにごめん。
待っててと言えば待っててくれる優しいキミを、これ以上縛りつけたくない。
数年後、数十年後、もし帰ってくることができたなら。
今まで何度も気持ちをぶつけてくれたように、今度はあたしから想いをぶつけるよ。
必ず探し出して、会いに行くから。
だから、待っててなんて言わない。
「考えは変わんねーんだな……?」
ボソッと呟いた言葉に小さく頷く。
「納得できねーけど……どうせ、言い出したら聞かねーんだろ?」
苦しげな、でもどこか諦めにも似たような優しい声。
こんな時でも笑ってくれるなんて、キミはどこまであたしを想ってくれてるの。
胸が張り裂けそうになりながらも、あたしは再び小さく頷いた。
「わかったよ……」
「ごめんね……ありがとう。ひとつだけ約束してくれる?」
涙を拭って、晶斗に向き直る。
「なんだよ、約束って」
真剣でまっすぐなその瞳に吸い込まれそうになる。
「どんな時でも笑顔でいて?あたし……晶斗の笑った顔が好きだから」
そう、キミの笑顔がーー。
たまらなく好きだから。