キミの笑顔が見たいだけ。


「ごめんね……あり、がと」


きっと晶斗には、あたしの弱い心を全部見抜かれている。


だけどあえてなにも言わずに意思を尊重してくれたのは、彼の優しさ。


あたし、絶対に帰ってくるから。


あたしにできるのは、帰ってこられることを信じて頑張るだけ。


だから絶対に弱音は吐かない。


たとえダメだとしても、最後まで諦めないよ。


晶斗のおかげで変われた。


キミに出会えてよかった。


「待って……ねーからな」


耳元で囁かれる声に、胸の奥が締めつけられた。


「うん……」


ごめんね。


ありがとう。


最後の最後まで味方でいてくれて。


晶斗がいてくれたから、生きたいって思えた。


頑張ろうって思えた。


勇気を、希望を、そして大きな優しさと笑顔をーー。


ありがとう。



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