キミの笑顔が見たいだけ。
「……怖えんだよ。会いに行って、もしも菜都が……菜都が死んだって、助からなかったって知ったら……」
俺はどうなるんだ?
菜都のいない世界で生きていける自信がない。
どれだけ願っても、どんなに望んでも、どうにもできねーことが世の中にはたくさんあることを知っている。
だから……。
ツラい現実に直面するより、菜都が帰ってくることを信じて待ってる方がいい。
いつか……あいつは帰ってくるんだ。
元気になって、変わらない笑顔を見せるんだ。
そう信じて待ってる方が救われるだろ。
それじゃ……ダメなのかよ。
「俺だって、なっちゃんが死ぬなんて考えたくねーよ……。でも、お前は……待っててって言われて、大人しく待ってるような男だったのかよ?」
陽真の言葉が心のど真ん中に突き刺さった。
「俺の知ってる晶斗は、どんな状況だろうと会いに行こうとするはずだ」
「……っ」
「それだけ大事に想ってきたんだろ?最後まで目を背けるなよ。こんなこと言いたくねーけど、最近のお前は見てらんねーんだって。最悪の結果だった時は……俺が支えてやるから」
だから、会いに行け。
最後まで言わずとも、陽真の言いたいことはひしひしと伝わってきた。
「気になってんだろ?なっちゃんのこと」
「…………」