キミの笑顔が見たいだけ。


なんでここにいるんだ?


そんな顔をしている。


そりゃそうだ。


アメリカだもんな。


「ご無沙汰してます」


「あ、ああ。久しぶりだね」


困惑しながらも、おじさんは優しく微笑んだ。


その顔は菜都によく似ていて、なんだか懐かしい感覚を覚える。


「どうしても菜都に会いたくて、ここまで来てしまいました。急で申し訳ないと思ってます」


「晶斗くん……」


「お願いです。菜都に会わせて下さい!」


深く深く頭を下げた。


おじさんがここにいるということは、菜都はきっと生きている。


手術が成功して今も治療を続けているに違いない。


もう居ても立っても居られなかった。


菜都に会いたくてたまらない。


あいつの笑顔を思い出すと、こんなにも胸焦がれて苦しくなる。


今まで抑えつけていた気持ちが一気に溢れ出した。


「お願い……します」


「菜都のために、ありがとう。よほど大切に想ってくれているんだな」


囁くような小さなおじさんの声には、涙の色が滲んでいた。


「菜都にはなにも言うなとお願いされたが、きみには負けたよ」


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