キミの笑顔が見たいだけ。
ねぇ、笑って
「……都っ!」
誰かが必死にあたしの名前を呼んでいる。
誰……?
「菜都っ!」
どこか聞き覚えのある懐かしい声。
なぜか焦っているようだけど、どうしたのかな。
っていうか、あたし……どうなっちゃったの?
アメリカで手術を受けたんだよね?
死んだのかな。
それとも……。
「早く戻ってこい!」
戻る……?
あたし……まだ、生きてるの?
まぶたが重くて目を開けられない。
それに頭がなんだかボーッとする。
体に力を入れようとしてみても、ピクリとも動かなかった。
すごく変な感じ。
あたしはいったい、どうしちゃったんだろう。
だんだんと思考がクリアになってくると、周りの音がやけにリアルに響いた。
知覚も戻って、誰かが頬に手を当てているのがわかる。
温かくて、大きな手だな……。
触れられていると、とても安心する。