キミの笑顔が見たいだけ。
目覚めるかわからないあたしのために、ここまでしてくれるなんて……。
「バカ、だよ……っ。なん、で?」
苦しかったでしょ?
切なかったでしょ?
晶斗はなにを考えながら、10年間も……。
「待ってて、くれなくていいって……言ったよね」
悲しい思いをさせたくなくて、そう言ったのに。
バカだよ。
ほんと……バカだよ。
「ああ、バカだな。でも、俺の性格知ってるだろ?」
ベッドのそばのパイプ椅子に座りながら、両手であたしの手を包み込む。
そして真剣な瞳を向けてきた。
ーードキッ
「自分の気持ちに正直に生きる。それが、俺だから」
「でも、だからって……」
あたしのせいでずっと苦しめてしまっていたことに、胸が痛くて。
昨日はほとんど眠れなかった。
「嫌になった?」
「え?」
「俺のこと、嫌になった?」
そんなこと、ありえないのに。