キミの笑顔が見たいだけ。
泣きじゃくるあたしに寄り添って、背中をさすってくれた。
一緒にいると心を穏やかにさせてくれる。
温かい気持ちで満たしてくれる。
「晶、斗……」
「ん?」
「ねぇ、笑って」
キミが笑ってくれるなら、他になにもいらない。
10年分の想いを胸に刻んで、今度はあたしがキミを幸せにするから。
「じゃあ、お前も」
「うん」
あたしたちは顔を見合わせて笑い合った。
頬が引きつってピクピクしたけど、必死に口角を上げた。
「あは、照れてる?」
「バ、バカ。照れてねーよ」
「でも、真っ赤、だよ?」
「バーカ」
ムッ。
「バカって言う方が、バカなんだ……っ」
そこまで言いかけてドキッとした。
晶斗の顔が近づいてきているのがわかったから。
ーーチュッ
唇に落とされたかすかな温もり。
一瞬で唇を奪われたことに目を見開く。
「はは、真っ赤だな。照れてんの?」
「なっ……っ」
「何度もしてるだろ。今さら照れんなよ」
涼しげな顔で余裕たっぷり。
意地悪に笑う晶斗に、胸を熱くさせられる。
悔しいけど、照れてるのはまちがいないから言い返せない。
「スネんなよ、可愛い奴だな」
「ス、スネて、ないもんっ」
プクッと頬を膨らませると、クスクス笑われた。
こんなやりとりまでもが幸せで、生きててよかったと思える。
これからは、キミと一緒に未来を描いていきたい。
10年後、20年後はどんな未来になるのかな。
きっと楽しくて、幸せでーー
そんな未来が待ってると思うんだ。
だから、だからね。
ツラいこと、苦しいことがあっても、ずっと笑顔でいるって誓うよ。
なにがあっても、あたしは大丈夫。
キミとなら、乗り越えていけるから。