キミの笑顔が見たいだけ。
なんだかショックを受けてる。
なんでこんな気持ちになるの……なんて、答えは簡単。
ううん、最初からわかってた。
取り返しがつかないくらい、矢沢君のことが好きだから。
だから苦しい。
こんなにも泣きたくなるんだ。
矢沢君の笑顔を思い出すたびに、全身が熱くなる。
はぁ……。
なんだか、頭がボーッとする。
体が熱いのは、矢沢君のことを考え過ぎたせいかな。
体調が良い日と悪い日の差が激しくて、1日の中でも上がったり下がったりしている。
それは、確実にあたしの病気が悪くなってる証拠。
今までまだまだ先だと思って考えないようにしてたけど、少しの不調でとてつもない不安に襲われることが多くなった。
って、またこんなネガティブになってる。
ダメダメ!
今日はもう、早めに帰ろう。
帰って休もう。
ーーギィィ
屋上の鉄の扉を開けて校舎の中に戻った。
「春田」
え……?
ビックリして階段の下を見れば、そこにはなぜか矢沢君の姿があった。
「矢沢君……なんで?」
ビックリして目を丸くする。
まさか、いるとは思ってなかった。
「目ぇ合ったし、なんとなく来てみた」
「そ、そっか……」
ちゃんと目を見て話せないのは、好きだと自覚したから。
ドキドキと胸が弾んで、息苦しい。
さっきまで沈んでいた気持ちが一気に軽くなって、あたしってものすごく単純だな、なんて思ってみたり。