キミの笑顔が見たいだけ。


なんだかショックを受けてる。


なんでこんな気持ちになるの……なんて、答えは簡単。


ううん、最初からわかってた。


取り返しがつかないくらい、矢沢君のことが好きだから。


だから苦しい。


こんなにも泣きたくなるんだ。


矢沢君の笑顔を思い出すたびに、全身が熱くなる。


はぁ……。


なんだか、頭がボーッとする。


体が熱いのは、矢沢君のことを考え過ぎたせいかな。


体調が良い日と悪い日の差が激しくて、1日の中でも上がったり下がったりしている。


それは、確実にあたしの病気が悪くなってる証拠。


今までまだまだ先だと思って考えないようにしてたけど、少しの不調でとてつもない不安に襲われることが多くなった。


って、またこんなネガティブになってる。


ダメダメ!


今日はもう、早めに帰ろう。


帰って休もう。


ーーギィィ


屋上の鉄の扉を開けて校舎の中に戻った。


「春田」


え……?


ビックリして階段の下を見れば、そこにはなぜか矢沢君の姿があった。


「矢沢君……なんで?」


ビックリして目を丸くする。


まさか、いるとは思ってなかった。


「目ぇ合ったし、なんとなく来てみた」


「そ、そっか……」


ちゃんと目を見て話せないのは、好きだと自覚したから。


ドキドキと胸が弾んで、息苦しい。


さっきまで沈んでいた気持ちが一気に軽くなって、あたしってものすごく単純だな、なんて思ってみたり。


< 45 / 222 >

この作品をシェア

pagetop