キミの笑顔が見たいだけ。
次の日ーー。
「晶斗ー、朝だよ!起きて」
「ん……ムリ。ダルい」
「なに言ってんの、遅刻するよ!ほら、起きて!」
いつまでもダラダラしていると、バッと布団を剥ぎ取られた。
「……さみー」
お袋に叩き起こされ、のろのろ制服に着替える。
結局あれからまったく寝付けず、気付いたら外が明るかった。
春田のことを考えて寝れねーって、中学生じゃあるまいし。
おかげで今日はかなりの寝不足。
頭はボーッとするし体は重い。
今日、体育ない日だよな?
あったら確実にサボり決定。
洗面を済ませてリビングに行くと、食卓に着いていたオヤジと目が合った。
「おはよう、晶斗」
「あー……はよ」
ちっ、なんだよ。
ニヤニヤしやがって。
ウザいな。
「ほら、晶斗も早く座って」
「いい、いらねー。なんか食欲ねーし」
「えー?風邪でも引いた?大丈夫?」
「風邪じゃねーよ。間に合わねーから、もう行く」
「あ、お弁当忘れてる!」
お袋から弁当を受け取り家を出た。
いつもより遅めのバスに乗り、学校へ向かう。
バスを降りて通学路を歩いていると、見知った後ろ姿を見つけた。
小走りで駆け寄り、隣に並ぶ。
「よう」
「やや、矢沢君……!お、おはよう……!」
俺を見て大きく目を見開き、挙動不審な春田。
正直気まずいけどギクシャクするのは嫌だから、出来るだけ普通に振る舞った。