キミの笑顔が見たいだけ。
やっぱりモテるなぁ。
すごいなぁ。
でも、今日のあの格好だとムリはない。
すごくカッコいいもんね。
記念に写真を撮りたいけど、嫌いなら仕方ないか……。
なんて。
「おい、春田」
「え?」
「ボーッとしすぎ」
「へっ?わっ……!」
顔を覗き込まれたかと思うと、おでこをピンと軽く弾かれた。
フッと小さく笑みを浮かべる矢沢君は、最高にカッコいい。
ズルいよ、そんな顔……。
ますます好きになるじゃんか。
赤くなった顔を隠すように、うつむきながら後ずさる。
「なぁ」
力強くてまっすぐな声に思わずドキッとしてしまう。
一歩一歩距離を詰めて来る矢沢君。
その度にドキドキが大きくなって、聞こえているんじゃないかと不安になる。
「写メ撮らねー?」
「え……?」
驚いて矢沢君の顔を見上げる。
でも……だって。
さっきの子には、写真が嫌いだからって断ってたのに……。
「写真、嫌いなんじゃないの?」
「春田とだったら撮りたい。嫌?」
「ううん……嫌じゃないよ」
「じゃあ撮ろうぜ」
返事をする間もなく、矢沢君は自分のスマホをインカメにしてあたしの隣に立った。