Night LOVE
プロローグ
「お願いします。必ず届けてください。このペンダントに世界が、全世界がかかっているのです。」
「かしこまりました。」
薄暗く、狭いこの部屋に
二人の話し声だけが響く。
深く礼をし、踵を返した男の遠くなる背をみつめながら、女は言った。
「皇帝、いや、シリア・ガーリナー。
お前の好きにはさせない。」
炎のように燃える赤色の目を光らせながら。