愛しい人

土曜日をいよいよ明日に迎えた日。

真希と綾が突然家にやってきた。

「大丈夫かなぁと思って」

笑顔でそう話す二人には私の気持ちなんてお見通しなんだろう。
やっぱりこの二人には敵わない。

私の話を一通り聴いてくれたあとの二人の言葉。

「絶対にバレるから正直に話しな」

話して少し軽くなった心がけ一気に重くなる。

「いや、だから、その、バレない方法が知りたいの。久々だからとかいったら誤魔化せない!?」

少しの希望をもって話す。

二人の顔は至って冷静のまま。

「無理だね。他の男ならいけるかもしれないけど龍人は無理でしょ。」

「これから付き合っていくなら避けて通れない道なんだからしっかり本音で話しなさいよ。」

「…うん。」

二人の言ってることは正しい。
でも嫌われるのが怖い。
別れたくない。
負担になりたくない。

結局その夜は一睡もできなかった。

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