愛しい人
「汗かいたから先シャワー浴びてきていい?」

「えっ、うん!どうぞどうぞ!」

色々考えごとをしてたせいかまた、挙動不審な答えになる。

彼がシャワーを浴びてる間再び不安が押し寄せる。

このまま逃げてしまいたくなる。

本当のことを話すべきなのか。

いや、そんなこと出来ない。

でも、隠し通せる自信もない。

結論の出ない迷路に迷い込む。

カチャ。

彼がお風呂から、出てきた。

「わ、私もお風呂借りていい?」 

彼と出来るだけ顔を合わせないようお風呂場にかけ込む。

一人になると涙が溢れ出てくる。
あんなに泣いたのに涙は枯れない。

ゆっくり時間をかけてお風呂に入り覚悟を決めて部屋に戻る。

「お、お風呂ありがとう!広くてびっくりした!」

「うん、ねぇあい。ちょっとこっち来て」

「な、なに?」

彼が何を聞こうとしてるのか察しがついた。
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