幼なじみのフキゲンなかくしごと
「俺、先に帰るな」
それだけ言うと立ち止まりもせずに出ていこうとする。
「えー、山崎くん帰っちゃうの?」
「気をつけてね……!」
「ばいばい! また月曜日ね〜」
女の子たちのそんな言葉に曖昧に頷く山崎くん。
そんな中、突然、瑞季くんがガタッと荒々しく音をたてて立ち上がった。
「遼平っ、」
そう呼び止めた声は、どこか、ひどく焦っているように聞こえて。
余裕のない表情に思わず息を飲む。
教室中がしんとなった。