幼なじみのフキゲンなかくしごと
えー?といったように美結ちゃんを中心に顔を見合わせる3人。
「さっきより弱まってるし、帰るなら今のうちだと思うよ」
そう言って瑞季くんはにっこりと微笑んでみせた。
外を見ると確かにさっきまでの勢いはなくなってて、細い線のような雨が真っ直ぐ降りそそいでいる。
「矢代くんは帰らないの?」
「さっきも言ったと思うけど、」
自然な流れで瑞季くんが私の方を向いて
「……今日は中瀬さんと約束があるから」
視線がぶつかった。
瑞季くんがはっきりと私の名前を出した。
クラスメイトの前で。
こんなことしていいの?
私と関わりがあるって思われたくないんだよね?
「だから、よければ、早くふたりにしてほしいんだけど」
瑞季くんが何考えてるのか……わからない。