幼なじみのフキゲンなかくしごと

美結ちゃんたちは一瞬戸惑った顔をしながらも、すぐに取り繕った笑顔を浮かべてそそくさと帰り支度を始めに席に戻る。



教室にいた他の人たちも、瑞季くんが「ふたりにしてほしい」なんてことを言ったからか慌てたように席を立ち始めた。



瑞季くんの影響力は、改めて大きい。



友香ちゃんも私の肩をそっとたたいて「あたしも帰った方がいい?よね?」ってそっと耳打ちしてくる。


正直、友香ちゃんには側にいてほしいと思いながらもあいまいに首を縦に振った。



「友香ちゃん、あとでまた、色々と……」

「うん分かった。よくわかんないけど、がんばれ。ばいばい」


ばいばい、と手を振り返す。


激しすぎる脈のせいで頭がくらくらと揺れるような感覚に襲われた。

< 105 / 304 >

この作品をシェア

pagetop