幼なじみのフキゲンなかくしごと
「じゃあまたね、矢代くん」
美結ちゃんたち3人は、いつもより控えめに手を振りながら名残惜しそうにドアに手をかけた。
──そのとき。
「あさひちゃんまだいる?!」
別の誰かの手によって外側からドアが勢いよく開けられた。
突然入ってきた" 彼 "に驚いて、美結ちゃんたちは「わっ」と声を上げる。
ごめんねって一人一人に謝ったあと、ゆっくりと顔をあげたその人と目が合った。
「あ、いた! よかった……っ」
そう言ってホッとしたように息を吐き出したのは、昨日、私にキスした葛西くん。