幼なじみのフキゲンなかくしごと
美結ちゃんたち3人と、それから瑞季くんの目線も。全部無視して、葛西くんはこちらに駆け寄ってきた。
「あさひちゃんごめん! 今から空いてる?」
キスしたのに、全然変わらない態度。
意識してるのはやっぱり私だけ。
葛西くんの顔が目の前にあって
「っえと……今日は……」
しどろもどろで目をそらしてしまう。
斜め前の方で、ガタっと椅子を引く音がした。
「葛西、何の用?」
瑞季くんが、低い声で葛西くんに詰め寄る。
葛西くんは薄く笑ったまま答えない。