幼なじみのフキゲンなかくしごと
「お前も早く断れよ」
「えっ」
「放課後は俺と過ごすから無理って」
「み、……矢代くん?」
ど、どうしよう。
今日の瑞季くんはおかしい。
私の耳元でそんな言葉を吐いて。すごく小さい声だから、美結ちゃんたちには聞こえてないにしても。
「か……葛西くんごめんなさい。今日は矢代くんと約束があるから……」
瑞季くんからの圧に押されるようにしてそれを口にすれば、葛西くんはちょっと申し訳なさそうな顔をした。
「それって大事な用事? 実は俺、白井先生にあさひちゃん呼んでくるように頼まれたんだけど」
「えっ?」