幼なじみのフキゲンなかくしごと


どうして──。



目の前でメニューを広げる瑞季くんを、ちらりと盗み見る。


カフェと言っていたけれど、店内がすごく華やかで驚いてしまった。


レトロな雰囲気の中に品良く輝くシャンデリア。見るからに高級。


とても、高校生が入るような所じゃないと思われる。



入り口で店員さんと親しげに話していたから、瑞季くんは常連さんなんだろうけど……


さすがお金持ちとしか言えない。




それはそうと、

まだにわかには信じられなかった。



あの瑞季くんと……私のことが嫌いで、さんざん他人扱いしていた瑞季くんと一緒にいることが。



瑞季くんにたくさん聞きたいことがあるはずなのに、
色んな感情が混ざってなかなか言葉にできない。




「あさひ、決めた?」

「えっと……まだ」

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