幼なじみのフキゲンなかくしごと
「あの……葛西くんのこととか、無理に聞き出そうとしてごめんなさい」
「……」
「もう、詮索したりしないから」
「別に怒ってないから謝らなくていい」
「でも、」
「いつまでここにいるつもり? 襲われたいの?」
「っ、ちがう。けど……」
けど……。って、なんだろう私。
何が言いたいんだろう。
わからないけど、ここで会話を終わらせたくなくて必死に言葉を繋ごうとしてる。
「……瑞季くん」
「なに?」
たぶん私、瑞季くんの熱がうつったんだ。
さっき触れた体温がずっと離れなくて、あつくてあつくて。
「瑞季くんのこと、すき。だから」
頭があんまり回らない……。
伝えたあとにハッして、急に恥ずかしさがこみ上げてくる。
慌てて出ていこうとすると、手を掴まれた。
「なにそれ」
力いっぱい、ぎゅうっと握りしめられる。
「好きなら、俺ともっと一緒にいたいと思う?」
「……うん」
「他の男のこと好きにならない?」
「……うん。ならないよ」
だったら───
と、ひと呼吸おいて。
「金曜日だけ……これからずっと、俺の時間を、あさひにあげる」