幼なじみのフキゲンなかくしごと
「ねぇ、あさひちゃん」
ふと、透き通った綺麗な声が聞こえたかと思えば。
美結ちゃんの大きな瞳が私をとらえた。
「あさひちゃん、矢代くんの幼なじみだったんだね」
美結ちゃんの目は色素が薄くて、キラキラしてる。
薄くお化粧はしてるみたいだけど、至近距離で見ても素肌がすっごく綺麗だってわかるし、鼻もスッと通ってて、美人だ。
そんな美結ちゃんに数センチ高い位置から見つめられて、思わず1歩退いてしまう。
「幼なじみだけど、家がちょっと近いだけで、仲いいとかじゃないから……」
「そうなんだね」
美結ちゃんはあの日、瑞季くんが私のことを『嫌い』って言ったのを聞いていたはず。
わざわざ話題を振ってこなくたって、いいはずなのに。