幼なじみのフキゲンなかくしごと


先生が来るのはいつも予鈴から5分以上たってからだから、誰ひとりとして席につこうとする人はいない。



だけど、その数秒後。


教室の前のドアが静かに開いた。

一瞬にしてシン……と静まり返る教室。



「……なんでこんな静かなわけ?」

「さあ」



姿を現した2人に、「なんだお前らかー」と
胸をなでおろす男の子たちと、「おはよ!来ないかと思った〜」って甘い声で駆け寄っていく女の子たち。



ふたりーー瑞季くんと山崎くんは、周りをテキトウにあしらいながら中に入ってきた。



「矢代くん〜おはよう!」



私の隣に立っていた美結ちゃんも声をあげる。

その声に反応した瑞季くんの視界には、当然私も映ってしまうわけで。

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