幼なじみのフキゲンなかくしごと


「……おはよ」


美結ちゃんに向けられたそのあいさつに、胸がキュッと狭くなったように苦しくなった。



目が合わないように、やや下を向いて瑞季くんの足元を見つめる。



瑞季くんがこっちに向かってきてる。


……どうしよう。


ここは私の席だからヘンに避けるのもおかしいし。


美結ちゃんと話すのなら、どこか離れたところにしてほしい。



瑞季くんの足音。


近づいてきて、私の目の前で止まる。



「あさひ」


はっきりと名前を呼ばれた。



「体調、どうもない?」



本当に私に向けられた言葉なのかと疑ってしまうほど、その声は柔らかくて、やさしい。

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