幼なじみのフキゲンなかくしごと
会話の流れがつかめない。
好きにしていいよって、どういう意味?
わからない……けど。
「もう下の名前で呼んでも……いいの?」
「うん」
「怒らない?」
「うん」
「学校で話しかけても、いい?」
「うん」
「……っ、瑞季くん」
「なに?」
───すき。
やっぱり、どうしようもなく好き。
下の名前で呼び合えて、普通に話せるんだったら、もうそれだけでいい。
十分だよ。
「金曜日、ちゃんと空けとけよ」
それだけ言い残して、瑞季くんは部屋を出ていった───。