幼なじみのフキゲンなかくしごと



『なんで、受け取ってくれなくなったの……?』

『こんな年にもなって手紙って、お前は恥ずかしくないの?』

『……この前まで、笑ってもらってくれてたじゃん』

『っ、だいたいお前、他の男にも渡してるだろ』

『えっ? 渡してない!みずきくんにだけだよ』

『嘘つくな』




あからさまに嫉妬して感情的になっているだけなのに、あさひはそれに気づかない。

目をうるませて、悲しそうに俺を見つめていた。




『本田くんはこの前、わたしが家の鍵をくしたときに拾ってくれて……そのお礼に書いただけ』



お礼でもなんでもむかついた。

あさひが俺以外に手紙を書くこと。

あさひが困っているときに助けたのが俺じゃないことにも。


どうしようもなく、子どもだった……。



『ていうか、お前からもらった手紙なんて全部捨ててるし』



そんな言葉が、ぽつりとこぼれた。




あさひ。

そんなに悲しそうな顔をしないで。

泣かないで。

どうして傷付ける言葉しか出てこないんだろう。



ぼくはただ

きみのことが好きなだけなのに。



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