幼なじみのフキゲンなかくしごと


「……ん」


1分と経たずに戻ってきたかと思ったら、見慣れたパッケージの飲み物を渡された。



「瑞季くん、これ」

「ミルクココア。お前、冬は毎日飲んでただろ」

「え、あ、ありがとう……」



私がよく飲んでいたもの、覚えててくれた?

両手で持つと、手袋越しにあったかいのが伝わってくる。



「俺も同じの買った」


そう言って、本当に袋の中から同じミルクココアの缶を取り出す瑞季くん。

そして、



「おそろいの飲み物二人で飲むって、なかなかいいだろ」



フタをあけてちょっと照れくさそうに笑いながら、そんなことを言うんだ。


瑞季くんの顔が赤らんでいるのは、きっと冬の寒さのせいなんだろうけど、ほんのちょっと期待してしまう。


口の中に甘い味が広がって、幼かったときのこと、一つ思い出した。


瑞季くんは市販の飲み物はあまり好んでいないのに、私が美味しいって勧めたものは一緒になって飲んでくれていたっけ。


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