幼なじみのフキゲンなかくしごと
小6の夏休みは、宿題をして、男友達と遊んで、チューターから英語やドイツ語、フランス語などを習ったり。
生駒さんから経営や政治について教えてもらったり。
1番つまらない夏だった気がする。
家にいるのがいやでたまらなかったのに、暇な時間にあさひの家に逃げ込むこともできない。
あさひがいない俺の人生なんて、本当になんの面白みも、なんの価値もなかった。
だけど、そんな夏休みの最後の日。
『何してるの?……こんな夜遅くに』
午後9時過ぎ。
気晴らしに家の近くの公園に来ていた俺は捨てられている仔猫を見つけて、持ち帰ることも見捨てることもできずに、たたずんでいた。
そんなところに、俺を避けていたはずのあさひがひょっこり現れたんだ。