幼なじみのフキゲンなかくしごと



2学期が始まると、何もかもいつも通りだった。

俺があさひの家に迎えに行って、一緒に登校する。
変わらず互いの教室は行き来するし、暇なときは家に遊びに行ったり、公園で雑談したり。



そんな中、ただひとつ変わったこと。


あさひといる時がいちばん楽だったはずなのに、隣にいると落ち着かないことが多くなってしまった。



話していても、その頃周りがよく話題にしていた恋愛については一度も触れることはなく。

そのくせ、本当はあさひの心の中が知りたくて仕方ない。



俺は、機会をうかがっていた。

告白して、あさひを俺だけのものにすること。


一度は傷つけてしまったから、今度こそはちゃんと素直になって、あさひを笑わせてやろう……って。

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