幼なじみのフキゲンなかくしごと
「自分勝手だな。あさひちゃんあれだけ傷付けといて」
「……」
そうだな。
手に入れたくて仕方ないのに
手に入れたあとで失ってしまうことが怖い。
傷つけたくないなんて言葉は、所詮
建て前にすぎなかった。
俺が大人になってあの会社をついでも
あさひが俺を好きでいてくれる自信がなかっただけ。
だけどそんな自分に気づいたところで、何も変えられない。
もう終わったこと。
窓の外を見たら、雪がちらついていた。