幼なじみのフキゲンなかくしごと
小学4年生をすぎた頃から、私は瑞季くんに手紙を書いて渡していた。
そのこと自体は覚えている。
だけどいつからか、手紙を書くことをやめてしまった。
そしてその理由を、私は思い出せなかった。
起きた出来事があまりにもショックで、無意識的に記憶を押し込めて、思い出さないようにしてたんだ。
そうしているうちに、いつの間にかほんとに思い出せなくなってしまった。
【お前の手紙なんか、全部捨ててるし】
あの言葉と
夏休みの前日に
【一緒に帰ろうか】
って、他の女の子をさそってた瑞季くん。
瑞季くんへの恋心と一緒に
すべて消えてしまった。