幼なじみのフキゲンなかくしごと


小学4年生をすぎた頃から、私は瑞季くんに手紙を書いて渡していた。


そのこと自体は覚えている。

だけどいつからか、手紙を書くことをやめてしまった。



そしてその理由を、私は思い出せなかった。



起きた出来事があまりにもショックで、無意識的に記憶を押し込めて、思い出さないようにしてたんだ。

そうしているうちに、いつの間にかほんとに思い出せなくなってしまった。




【お前の手紙なんか、全部捨ててるし】


あの言葉と

夏休みの前日に

【一緒に帰ろうか】

って、他の女の子をさそってた瑞季くん。




瑞季くんへの恋心と一緒に

すべて消えてしまった。


< 293 / 304 >

この作品をシェア

pagetop