幼なじみのフキゲンなかくしごと

「……あさひちゃんて、思ったよりスキないのな」


「えっ？」


「んーん、何にも」


「……」


「そんで、係の話に戻るけど───」



葛西くんはそう言いながらくるりと背中を向けた。

首の後ろで腕を組んで歩き始める。



歩き方までも飄々としてて、やっぱりチャラチャラしてるように感じてしまう。



「来週の化学が、俺たちのクラスと合同って聞いてる？」


「……あ、うん」




そういえば前回の授業でそんなこと言ってた気がする。


忘れていた私はもうちょっと科学係って自覚を持ったほうが言いのかもしれないけど、
科学係ってぶっちゃけ名前だけで、先生もゆるいから仕事という仕事はない。



「そんでね、その実験で使う道具が今日届いたらしくて、それを運べって言われたの」