幼なじみのフキゲンなかくしごと

……荷物運び。

葛西くんとふたりで?



「今、一時的に事務室に置いてるらしいから、それを取りに行かなきゃいけねーんだけど……」


「……」


「もうすぐ昼休み終わっちゃうよなって」


「あっ」




廊下の時計は、昼休み終了5分前を指していた。



「ちょっと急ぐか」

「う、うん」

「ごめんな? 俺が呼びに来るの遅かったからさ〜」



そう言いながらも彼はのん気にポケットからスマホを取り出して、もう片方の手をポケットの中へ仕舞う。



電話がかかってきたみたいだ。



「はぁ〜? 掃除当番変わって? ざっけんなよまじで……」



画面を見つめながら心底イヤそうな顔をしてる葛西くん。


口、悪そう。女の子には甘い言葉吐いてるみたいだけど、葛西くんはちょっと怖い。


耳にだって、ビアスが何個も光ってる。

きっと不良だ。
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