幼なじみのフキゲンなかくしごと


「おっせええええよ、お前ら……」


事務室のドアの手前で、私たちを呼び出した本人ーー科学の白井先生が仁王立ちしていた。



「俺を何分待たせるんだ〜」


「ごめんね、先生。でも遅れたのは俺のせいで、中瀬さんは悪くないからね」


「そうか。じゃあお前グランド150周な」


「ええーっそれは死ぬ!せっかく食べた弁当吐いちゃうよ僕」


「はいはい。葛西の平常点引いとくからな」


「ごめんって!今から急いで運ぶからさ〜」



ふたりのテンポのいい会話を少し離れた場所に立って聞いていると、葛西くんがこっちにおいで、というように手招きをしてきた。



「見てよ〜あさひちゃん。やべーほど量あるよこれ!! 白井せんせ鬼畜じゃね?」



見ると確かに、段ボールが4段、山積みになっている。

これをふたりで運べというのはさすがにきついんじゃないかと思う。

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