幼なじみのフキゲンなかくしごと
「あの……葛西くん。放課後用事あるなら私がやっとくよ?友達に手伝ってもらったりして」
あまりにも気を落としてるみたいだっから、ついそんなことを口走ってしまった。
だけど、彼は首を横に振る。
「あさひちゃんは優しいね。でも俺は可愛い子にそんなことさせらんない」
「……」
「逆に、むしろ……」
じっと見つめられる。
葛西くんの瞳がしっかりと私をとらえて離さない。
恥ずかしくなって、少しだけ視線を伏せた。
「あさひちゃんと二人きりになれるの、嬉しいよ」
トーンが変わって、少し低めの、囁くような声。
胸の奥がくすぐられたような感じになった。
可愛い子、なんて。いちいちそんな言葉にひっかかるなんてばかみたい。
本気じゃないってわかってるのに、言われ慣れない言葉にドキドキする。
「じゃあまた、放課後ね」
そんなセリフに、だまって頷くことしかできなかった。