幼なじみのフキゲンなかくしごと

だけど、思っていたほどの重さじゃない。



「これだったら私、あとひと箱はいけると思う」


「ははっ、やめときなって。最初は良くてもあとから腕がしんどくなるよ。化学室まで、けっこう距離あるしさ」


「うっ、確かに……」



階段上ったりすること考えると、1個ずつの方がいいかもしれない。化学の実験道具だし、落として壊したりしたら大変。



「じゃあ、葛西くんも一度に3つなんてやめた方がいいんじゃ……」


「俺はだいじょーぶ。男だから」



ゆるやかに上がる口角に、妙に色っぽさを感じる笑い方。

女の子が騒ぐのも、わかる……。

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