幼なじみのフキゲンなかくしごと
「よっ、と」
片足を器用に使って、葛西くんが化学室のドアをスライドさせた。
なぜか全ての遮光カーテンがしまっていて、室内は真っ暗。
廊下から入ってくる光でどうにか机の輪郭を確認してから、その上にいったん段ボール箱を置いた。
先に荷物をおろした葛西くんが電気スイッチに手を伸ばす。
……だけど。
「あ、だめだ」
「えっ?」
「ん、これ見てみ」
スイッチの下に、なにやら張り紙があって。
目を凝らしてよく見てみると、
“ ※ 観察実験中!! 電気つけるな ”
という手書きの文字が。