幼なじみのフキゲンなかくしごと
「まぁ、俺らが来週ここで実験するときには片してあるでしょ。土日挟むしね」
「そうだね……」
「……」
ふっと沈黙が訪れた。
暗い中、ふたりして立っていてなんだか気まずい。
事務室にはまだ段ボールが残ってる。
あと2回くらいは往復しないといけないだろうから、いつまでもここで止まってるわけには行かない。
「葛西くん、そろそろ行───」
「あさひちゃん」
私の声をさえぎるようにして名前を呼ばれる。静かな声。
ドキッとしたのもつかの間。
「 えっ……葛西くん?」
彼の左手によって、化学室のドアが閉じられた……。