幼なじみのフキゲンなかくしごと

「起立ー。礼」


ギーッと椅子を引く音が教室中にうるさいほど響く。今日は雨で窓を閉め切っているからよけいに。


皆が席を立って自由に動き始めたあとも、私はカバンに荷物を詰めるふりをして瑞季くんの様子をうかがっていた。


3人の女の子が瑞季くんの席を取り囲んで立っていて、美結ちゃんもその中にいる。


一人の女の子が何か言ったのに対し、瑞季くんは首を横に振ってこたえていた。



「えーっ無理なの?」

「じゃあまた来週ー?」

「ねえ、明日とかは? 土曜だし、矢代くんも時間あるでしょ?」



教室にいる人はだんだん減っていって、会話がはっきりと聞こえ始めた。


私はいつまで座っていればいいの?


このまま待ってて、ほんとうにいいのかな……。
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