幼なじみのフキゲンなかくしごと
もしかしたら、さっきの話はもう瑞季くんの中では、なかったことになってるのかもしれない。
美結ちゃんに会話を遮られて結局どうすればいいのかもわかってないし、あの女の子たちも瑞季くんの席からはしばらく離れそうにない。
待ってることがなんだか馬鹿馬鹿しく思えてきて、同時に、自分が惨めにさえ思えてくる
。
「あさひー? 帰んないの?」
友香ちゃんの声ではっと我に返った。
友香ちゃんの声はよく響くから、瑞季くんにもきっと聞こえただろう。
ちらりともこちらを見るそぶりも見せないけど、私がなんて答えるのか、聞こうとしているかもしれない。
そう思うと言葉に詰まった。