現場系男子にご用心!?【長編改訂版】
私は即座に断った。
好きでもない人と付き合えるほど器用でもない。

むしろ、人と付き合うのなんて面倒臭いと思っているくらいだ。
昔付き合っていた男と別れたのも、定期的に会うのが面倒臭くなったからで。

そのくらい億劫なのだ。
人と付き合うってのは。

ひとりでのびのびと過ごしたい。
気兼ねなく自由に時間を使いたい。

こんなカッコいい人に好かれるのは悪い気はしないが、付き合うのだけは勘弁願いたい。

「どうして。俺と付き合ったら色々楽しいと思うけど」

「いやぁ、好きでもないのに付き合えませんって。他当たって下さい。きっと別な人ならオッケーしてくれると思いますよ」

「じゃあ、友達から」

「……ええ~……」

「じゃないとここのお金、真壁さんに払ってもらう」

ちょ、ちょっとさっきおごりって……。
嘘お~……。

まさかそう脅されるとは思わなかった。
おごりだって調子こいて物凄く飲んでるし、食べてるし。

チラリとカバンの中の財布を見る。

所持金は……。

駄目だ、到底間に合わない。

思わず項垂れた。
仕方なく、岡田さんの言葉を受け入れる。


「……分かりました。お友達、なら」

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