現場系男子にご用心!?【長編改訂版】
……あたまがいたい。
……二日酔いか。

昨日は結局飲んだもんなあ。

結局夜も奢りだった。
奢りって怖い。

お金を気にしないで飲めるって最高だけど。

……しかし、やたらと寝心地がいい。

掛布団、こんなにすべすべしていたっけ?いつも使っているのは、毛玉だらけでざらざらだったような。
しかも雲の上に寝ているように、敷布団も気持ちがいい。

まだお酒が抜けていないのかな?
……日本酒飲んだからなぁ。

やたらとふわふわしている。


「……んん……」

ゆっくりと目を開ける。

焦点の合わなかった瞳が徐々に合って、目に映る光景がしっかりと映り始めるが、朝日なのか照明なのかやけに眩しくて目を細めた。

どうやらカーテンの隙間から差し込む光が、私の顔に当たっていたらしい。
位置を少しずらすと、その眩しさから解放される。
まだ頭がぼんやりとしていて、細めていた目はまた重くなり閉じかけた。

が、あることに気付いてすぐに目を大きく見開いた。


「あ……?」

いつもの目に映る天井と全く違う。
本来は日に焼けて所々色の違うクリーム色の壁紙に、昭和さながらのひも付き照明が掛かっているはずだ。
ところが今見ている天井は、真っ白な天井に紐のない被せるタイプの照明。

慌てて上半身だけを起こし、辺りを見回す。
白い壁に黒の家具で統一された、シンプルでシックな部屋。
自分の部屋よりもひとまわりくらい広い。

明らかに自分の家ではない。
インテリアのセンスから見て、どうも住んでいるのは男のようだ。

さあっと血の気が引いた。

もしやこれはもしかして。
ああああ、なんたる失態!!

頭を抱える。
今にも叫びだしたい気持ちを抑え、布団に顔を埋めた。

どうしようどうしよう!
うわあああ!取り返しがつかない!!
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