現場系男子にご用心!?【長編改訂版】
「いいね、この感じ。まったり具合が凄くたまんない」
岡田さんはふふっと笑いながらそう言った。
確かにまったりである。
知らぬ間に、私も煙草なんて吸って寛いでいた。
こんなに穏やかな朝を過ごすのは、いつぶりなんだろうか。
いつもは昼まで寝ている女だから、早々ない。
いかに自分が自堕落な生活をしていたのかが、よく分かる。
こういう朝もいいもんだ。たまには私も早く起きてみよう。
……起きることが出来たら、だけど。
「本当に、昨日今日とありがとうございました」
そんな穏やかな時間に自分の心も落ち着いたのか、そう自然と感謝の言葉を言うことが出来た。
「え?そんなの気にしないでいいよ。俺も里緒奈の寝顔が見れたし」
「げ、見たんですか?」
「もちろん。ここに折角連れ込んだのになにもないのもね。可愛かったよ、本当は隣に寝たかったけど、俺の理性が持たなくなるから」
全く赤面するような言葉と、背筋が凍るような言葉を織り交ぜて話すとは。
お陰でこっちは暑いのか寒いのかわからなくなる。
「ず、随分とストレートに言いますね。言われたこっちは、どうしたらいいかわからないんですが」
「はは、そのうち慣れるよ」
……慣れたくもないわ。
そのあと軽く身支度を整えると、岡田さんは私を車に乗せて家まで送ってくれた。
「家教えて。家の前まで送ってくから」
うぬぬ、アパートは教えないつもりだったのに。
ここでもまた先手を打たれた感じになる。
きっと教えなければ車から降ろしてくれないだろう。
仕方なく私は自分のアパートの場所を教えた。