現場系男子にご用心!?【長編改訂版】
「お疲れ様でしたー」
外へ出ると、雪がチラついていた。
ああ、もう本格的に冬だな。
はあ、と息を吐くと、白く宙へと浮かんでゆっくりと消えていく。
景色も、感じる気温も、入社したときとなにも変わらない。
なにもかも、見慣れているし感じ慣れているはずなのに、どうしてこうも今は全てが新しく触れるものみたいに、新鮮に感じてしまうんだろう。
歩いて帰る途中でスーパーへと足を運ぶ。
最近はコンビニには行っていない。
もっぱら仕事帰りに寄るのは、スーパーになった。
岡田さんと付き合うようになってから、少しずつだけど料理の本なんかを読むようになって。
大したものはまだ作れないけど、それでも前に比べたら進歩していると思う。
埃を被っていたコンロも毎日使うようになり、多少ガス料金は上がったけれど、それでも毎月コンビニで払っていた金額に比べたら、安いもんだろう。
部屋に戻り、部屋の明かりを付けストーブのボタンを押すと、そのままキッチンに向かう。
買ってきた野菜や肉を取り出し、洗ってぎこちない手で野菜を切っていく。
『野菜と肉を炒めて、野菜がしなっとして、肉がちゃんと焼けたら焼き肉のタレをかける。それだけで即席の野菜炒めが完成するよ』
これは岡田さんに初めて教えてもらったレシピだ。
一般的に、それは手抜きメニューかもしれない。
でも、ほとんど料理をしてこなかった私からすれば、立派な手料理。
少し焦げてしまったが、なんとか出来上がる。
味見と称して、フライパンから直で少しすくって口へと運ぶ。
「ん。んまい」
まあ、焼き肉のタレ自体が完成されたものだし、失敗しようがないんだけど。
だけど、掛けて使うなんて考えもしなかったなぁ。
当分、困ったときの"焼き肉のタレ様"ですわ。
フライパンから皿に移し、冷蔵庫からビールを取り出す。
部屋はもうだいぶ温かくなっていた。
こたつに入り、ぷしゅっと缶を開けて、濃い味付けの野菜炒めと、安いビール。
なんとも至福の時。
外へ出ると、雪がチラついていた。
ああ、もう本格的に冬だな。
はあ、と息を吐くと、白く宙へと浮かんでゆっくりと消えていく。
景色も、感じる気温も、入社したときとなにも変わらない。
なにもかも、見慣れているし感じ慣れているはずなのに、どうしてこうも今は全てが新しく触れるものみたいに、新鮮に感じてしまうんだろう。
歩いて帰る途中でスーパーへと足を運ぶ。
最近はコンビニには行っていない。
もっぱら仕事帰りに寄るのは、スーパーになった。
岡田さんと付き合うようになってから、少しずつだけど料理の本なんかを読むようになって。
大したものはまだ作れないけど、それでも前に比べたら進歩していると思う。
埃を被っていたコンロも毎日使うようになり、多少ガス料金は上がったけれど、それでも毎月コンビニで払っていた金額に比べたら、安いもんだろう。
部屋に戻り、部屋の明かりを付けストーブのボタンを押すと、そのままキッチンに向かう。
買ってきた野菜や肉を取り出し、洗ってぎこちない手で野菜を切っていく。
『野菜と肉を炒めて、野菜がしなっとして、肉がちゃんと焼けたら焼き肉のタレをかける。それだけで即席の野菜炒めが完成するよ』
これは岡田さんに初めて教えてもらったレシピだ。
一般的に、それは手抜きメニューかもしれない。
でも、ほとんど料理をしてこなかった私からすれば、立派な手料理。
少し焦げてしまったが、なんとか出来上がる。
味見と称して、フライパンから直で少しすくって口へと運ぶ。
「ん。んまい」
まあ、焼き肉のタレ自体が完成されたものだし、失敗しようがないんだけど。
だけど、掛けて使うなんて考えもしなかったなぁ。
当分、困ったときの"焼き肉のタレ様"ですわ。
フライパンから皿に移し、冷蔵庫からビールを取り出す。
部屋はもうだいぶ温かくなっていた。
こたつに入り、ぷしゅっと缶を開けて、濃い味付けの野菜炒めと、安いビール。
なんとも至福の時。