現場系男子にご用心!?【長編改訂版】
「あ、あああ!ゴメン!本当にゴメン!本当にごめんなさい!!」

とんだ失態を犯してしまった。
仕事の邪魔をするなんて、社会人として失格だ。

岡田さんに対して、必死に謝る。
岡田さんは、そんな私にあはは、と笑いながら答えた。

『いいのいいの、ちょうど一息入れて、里緒奈に電話しようと思っていたところだったし。まさか里緒奈から掛かって来るとは思わなかったけど』

「本当にゴメン。……忙しいんだよね?」

『まあ、ほら、今日急に部品の手配入らなかった?あれの仕事がね』


それって課長が突然持ってきたやつか。
それで、定時過ぎまでかかって研磨した部品のことだ。

……もしかして私が遅くなったばかりに、岡田さんも?

「あれ、私が削るのが遅くなっちゃったばかりに、岡田さんに迷惑が!?」

『いやいや、こっちが急にお願いしちゃったやつだからしょうがないよ。でも、これ里緒奈が削ったのもあるんだ、みんな綺麗に削れてるよ、ありがとうね』

忙しくて帰れないのに、優しい言葉を掛けてくれるなんて。
なんでそんなにいい人なの?

もう本当に、今日は岡田さんに迷惑を掛けてばかりだ。
申し訳なさ過ぎて、泣けてきそう。

「ごめん、私のせいで迷惑かけてしまって」

『ええ?なにが!?謝る必要なんてないよ!ってか謝りすぎだし。今こうやって里緒奈の声聞けて元気出たよ。しかも初めて里緒奈から電話かけてきてくれたじゃん?それも嬉しくてさ、仕事の疲れなんか吹っ飛んじゃうくらいだよ』

「そ、そう……。なら、いいんだけど……」


『ね、それよりも、どうして用もないのに掛けてきてくれたの?』
< 61 / 133 >

この作品をシェア

pagetop