現場系男子にご用心!?【長編改訂版】
「……ん」

身体にかかる重さで目が覚めた。

外はまだ明けきっておらず、薄暗い部屋の中にある時計を凝らして見ると、まだ五時前。

どうやら私の身体に腕を回して、後ろから抱きかかえるようにして寝ていて、岡田さんの腕の重さでどうやら目が覚めたみたいだった。

起きようと腕をどけようとすると、無意識なのか気付いているのか、ぐっと力が入ってのけることが出来ない。

仕方なく起きるのを諦めた。


しかし、人肌ってのはこんなにも、こう、安心できて気持ちの良いものだったか。
筋肉質な腕が私を離さまいと、身体に絡ませているのがやけにキュンときてしまう。

こんなの柄じゃないんだけどなぁ。

もっと自分はサバサバとしていて、むしろこんな甘い時間なんて、こっぱずかしくて過ごしていられないと思っていたのに。

腕の中でぐるっと岡田さんの方に身体を向けて、眠る岡田さんを眺める。
長い睫毛が、目を瞑っているからか余計にくっきりとして、呼吸に合わせて微かに揺れる。

綺麗な顔……。

思わず顔に触れたくなって、頬を優しく撫でた。

つるつる。
すべすべ。

……本当に羨ましい肌だ。

そのとき岡田さんの目が、がばっと大きく開かれ、驚いて頬に触れたまま固まってしまう。

「……おはよう」

「あ、お、おはよう」

「……なにしてんの?」

「ちょ、ちょっと岡田さんの肌の状態をね……」

って、私はなにを言ってるんだ。

「里緒奈よりは綺麗じゃないよ?」

「な、なにをおっしゃるか!私なんてもうシミやそばかすがいっぱいで……」

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