現場系男子にご用心!?【長編改訂版】
***

そして、クリスマスの日。

こんな日くらいは、ちょっと化粧でも……なんて、少し早めに起きて準備をしていると、家のチャイムが鳴った。

誰だよ、こんな早い時間から。

そう思いながら扉を開けると、そこには岡田さんが立っていた。


「おはよ、里緒奈。よかった起きてて。寝てたらどうしょうかと思った」

「……早すぎだよ、和宏くん。まだなんにも準備出来てないんだけど」

「準備出来るまで待ってるから構わないよ。それよりさ、とりあえず部屋ん中入らせて?寒いんだ」

布団も片付けてないし、散らかってるんだけどな……とも思いつつ、かといって外で待たせておくのもアレだしと、渋々部屋の中に入れた。

岡田さんは入るなりキッチンに向かい、小さな食器棚に置かれていたインスタントコーヒーを手に取って、湯を沸かし始める。

私はそんな岡田さんを気にしていたら、いつまでも準備が出来ないと思い、座っていた位置に戻って化粧を再開した。

「里緒奈はブラックでいい?」

「え?あ、うん。ありがと」

ファンデーションを塗って、アイブロウして、ビューラーで睫毛上げて……。

ふと視線を感じて鏡から目線を外すと、岡田さんが私を見つめている。


「な、なに?」

「すっぴんの里緒奈も可愛いけど、化粧してる里緒奈も可愛いね」

「……っ!」

……ったく、どうしてこうもストレートに言うかな。
お陰でチークも付けてないのに、顔が真っ赤だ。
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