現場系男子にご用心!?【長編改訂版】
真実と決意
――年明け、仕事始め。
工場長のありがたいお話と、工場にある神棚に一年の無事故を祈念したあと、みんなそれぞれの持ち場へと就いた。
何日か機械を動かしていないため、念入りに機械をチェックしたあとに、ボタンを押す。
あれだけシン、としていた工場の中が、徐々にいつも通りの煩さを取り戻していく。
甲高い音を響かせ、部品を研磨していく。
何個目かの部品を研磨し終えたとき、ふと目に入った。
岡田さんがこの工場に来るときいつも着ている、KIZUKIの作業着を着た男性が工場長と課長と共に作業場で話をしている。
その男性は岡田さんではない、別な若い男性だ。
誰だろう……、あの人。
そのうち三人で話をしていたが、課長だけがひとり離れ、私の方へとやってくる。
課長が近くにやってきたとき、私は声を掛けた。
「課長、あの人は誰です?」
「ん?高崎(たかさき)くんのことか?高崎くんは岡田ちゃんの後任だよ。来月から岡田ちゃんに変わってこの工場に来ることになってるんだ」
「後任?岡田さん、今月まででここに来るの終わりなんですか?」
初耳だった。
まさか今月で岡田さんがここに来なくなるなんて、全く知らなかったものだから、私は驚きを隠せない。
「というか、岡田ちゃん、春先からタイに出向することになっているらしいんだが……。なんだ、お前知らなかったのか……?」
「……え?」
課長の言葉に、目の前が真っ暗になった。
嘘……。
岡田さんが、タイに出向……?
工場長のありがたいお話と、工場にある神棚に一年の無事故を祈念したあと、みんなそれぞれの持ち場へと就いた。
何日か機械を動かしていないため、念入りに機械をチェックしたあとに、ボタンを押す。
あれだけシン、としていた工場の中が、徐々にいつも通りの煩さを取り戻していく。
甲高い音を響かせ、部品を研磨していく。
何個目かの部品を研磨し終えたとき、ふと目に入った。
岡田さんがこの工場に来るときいつも着ている、KIZUKIの作業着を着た男性が工場長と課長と共に作業場で話をしている。
その男性は岡田さんではない、別な若い男性だ。
誰だろう……、あの人。
そのうち三人で話をしていたが、課長だけがひとり離れ、私の方へとやってくる。
課長が近くにやってきたとき、私は声を掛けた。
「課長、あの人は誰です?」
「ん?高崎(たかさき)くんのことか?高崎くんは岡田ちゃんの後任だよ。来月から岡田ちゃんに変わってこの工場に来ることになってるんだ」
「後任?岡田さん、今月まででここに来るの終わりなんですか?」
初耳だった。
まさか今月で岡田さんがここに来なくなるなんて、全く知らなかったものだから、私は驚きを隠せない。
「というか、岡田ちゃん、春先からタイに出向することになっているらしいんだが……。なんだ、お前知らなかったのか……?」
「……え?」
課長の言葉に、目の前が真っ暗になった。
嘘……。
岡田さんが、タイに出向……?